矯正治療は見た目をキレイにする治療だというイメージが強いですが、ただ見た目をキレイにするだけでなく、安定した噛み合わせやキレイな発音といった機能の改善も同時に得ることができる治療です。
また、歯並びを改善することで、むし歯や歯周病の予防につながったり、体のバランスが良くなり、偏頭痛や肩こりが改善されるなど、お口の中だけでなく全身の健康にも良い影響を与えます。
他にも、しっかり安定した噛み合わせは、お口の周りや顔面の筋肉を鍛え、自信のある表情を生み出し、コンプレックスの解消やアンチエイジング効果にもつながると言われています。
ガタガタな歯並び、歯の隙間、出っ歯や受け口といった問題が解決され、咀嚼機能が向上します。咀嚼機能が向上すると、食べ物をしっかり砕いた状態で飲み込むことができるようになり、胃腸への負担軽減にもつながります。適切な噛み合わせの力が歯や歯の周りの組織に加わることで、歯の健康寿命を長くすることが期待できます。
歯並びや口元がキレイになることで、歯を見せて笑えるようになった事例がありました。
歯並びが悪いと歯ブラシが当たりにくい部位が生じ、磨き残しが多くなってしまいます。その結果、むし歯や歯周病の原因となるプラーク (歯垢) や、歯周病菌が口腔内に残ってしまいます。歯並びが改善されることで、歯磨きがしやすくなり、むし歯や歯周病を予防することができます。
歯に装置が付くことで歯磨きへの意識が高くなり、歯磨きの習慣が身に付きやすくなります。
治療により口が閉じやすくなると、口腔内の乾燥を防ぐことできます。また、噛み合わせが良いと唾液腺が刺激されて、唾液量が増加するといわれています。その結果、口腔内に唾液が多く停滞し、むし歯の予防や口臭を防ぐといった衛生面の向上が期待できます。
小児矯正では骨格の成長期に治療を行うことで、アゴの骨格を整えることが期待できます。骨格を整えることで口呼吸から鼻で呼吸しやすくなる場合があります。また、正しい舌の位置や使い方などを習慣づけることで、構音や発音の仕方が良くなっていきます。
矯正装置 (特に固定式の装置) を装着すると、口腔内の粘膜などに装置が接触し、口内炎を誘発する可能性があります。
歯の表側に装着する固定式の装置は原則治療が終了するまで装置を外すことがないので、会話時などに装置が見えてしまい、見た目が気になるようになります。装置の種類【マウスピース型矯正歯科装置 (インビザライン) や、カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置】のように見た目が気にならない装置もございますので、ご相談ください。
矯正装置 (特に固定式の装置)が装着されると磨き残しが発生しやすくなります。歯磨きの際に歯間ブラシやフロス、マウスリンスなどを用いることをオススメいたします。
治療初期に矯正装置による痛みが出る場合があります。通常数日~1,2週間で慣れることが多いです。
歯の動き方には個人差があります。そのため、予定されていた治療期間が延長する可能性があります。また、装置の使用状況や定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や期間に影響いたします。
歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや、歯茎がやせて下がることがあります。ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことや、歯の神経が失活する場合があります。また、冷たいものがしみる知覚過敏症状が出ることがあります。
治療途中に金属やゴム等のアレルギー症状が出ることがあります。アレルギー症状がある方は問診票にご記入をお願いいたします。
矯正治療中にむし歯が出来てしまった際は、一般歯科医院で治療を行っていただきます。むし歯が出来ないように歯磨きの習慣を身につけましょう。また、歯が動くと 隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。矯正治療中に歯の形を修正したり、噛み合わせの微調整を行ったりする場合があります。歯を動かす治療が終わり装置を外した後、現在の噛み合わせに合った状態のかぶせ物やむし歯の治療などをやり直す可能性があります。
治療中に「顎関節で音が鳴る、アゴが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物の一部が破損する可能性があります。
装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。アゴの成長発育により、噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等によって歯を支えている骨がやせると、噛み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
装置を指示通りにご使用いただけない場合等、追加費用の発生や治療計画の変更や治療期間の延長が発生する場合があります。矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
“矯正治療は子供のうちに受けるもので、大人になってからでは遅い” “大人の矯正治療は痛い” “装置が目立つので今さら治療できない” と言った声をよく聞きます。
しかし、材料や治療技術の進歩により、歯を支える骨の状態や歯の質などに問題がなければ、年齢に関係なく安心して矯正治療を受けられます。
当院では、目立たない治療や、痛みが少ない治療など、患者さんのニーズに合わせた治療を提案させていただきます。
一般的な治療期間は2~3年 (通院回数24~36回) です (症例によっては延びる場合がございます)。固定式の装置を用いるので、むし歯や歯周病等にならないよう歯磨きが大切です。通院頻度は3~4週間に一度で、その都度調整料 (装置によって異なります) 3,000~8,000円 (税別) がかかります。
一般的な治療期間は2~3年 (通院回数24~36回) です (症例によっては延びる場合がございます)。取り外しが可能な装置となりますが、その反面装置を使っていないと正しく歯が移動しません。装着時間を守って、装置をしっかり装着しましょう。通院頻度は1~2ヶ月に一度で、その都度調整料 3,000~5,000円 (税別) がかかります。
舌側 (ぜっそく) 矯正と呼ばれるこの治療方法は、歯の裏側に装置をつけるので、誰にも気づかれずに矯正治療をすることができ、お仕事の都合上矯正装置を表側につけられない患者さんや、表から装置が見えることに抵抗がある患者さん、スポーツの最中にぶつかって装置で唇が切れないか心配な患者さんに適した治療方法です。
また、歯の裏側は常に唾液で湿っており、唾液の静菌・殺菌作用により、表側に装置をつけた時と比較してむし歯の原因となる細菌が増殖しにくくなっており、むし歯のリスクが低くなります。
しかし、歯の裏側に装置がつくので、表側に装置がつく治療方法よりも、しゃべりづらかったり、舌への違和感が強く出る場合があります。これらを解消するため当院では、患者さんの歯の形に合わせた厚みの少ない装置をオーダーメイドで作るカスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置(Win system)を取り入れています。
マウスピース型矯正歯科装置による治療は、歯に固定式の矯正装置をつけず、マウスピース型のアライナーと呼ばれる取り外しが可能な装置を用いて治療を行います。ブラケットやワイヤーといった金属製の装置を使用しないので、金属アレルギーの患者さんも安心して治療を受けることができます。
目立ちにくく、食事や歯みがきの時に装置の取り外しが可能なので、お口の中を清潔に保つことができる反面、1日20時間以上の装着が必要となり、使用できない際は治療が進まないだけでなく後戻りを起こしてしまう場合もあります。
また、歯並びの状態によってはマウスピースと併用して一部固定式の装置を使用したり、適応外になる場合があります。
マウスピース型矯正歯科装置(インビザライン)は、矯正治療終了時までの治療計画に基づき、歯の動きをシュミレーションし、患者さんに合わせてオーダーメイドで作られる透明なマウスピースです。10日間ごとに順番に装置を装着して、歯を徐々に動かしていきます。
マウスピース型矯正歯科装置による治療には以下の注意事項があります。患者様には是非以下の内容をご理解の上、治療方法を選択いただければ幸いです。
マウスピース型矯正歯科装置 (インビザライン) はアメリカのアライン・テクノロジー社の製品であり、アライン・テクノロジー・ジャパン社より提供されているマウスピース型矯正装置で、これまで全世界で1,300万人以上の治療実績があります(2022年6月現在)。
またFDA (アメリカ食品医薬品局) の医療機器として認証を受けており、ISOを取得している最新の工場で製造されています。国内でもマウスピース型矯正装置 (インビザライン) に似た装置があり、国内の薬事承認をうけているものもあります。
※日本で医療機器として矯正装置と認められるものは、次の2点を満たすものです。
①薬事承認されている材料を使用していること
②既製品の場合、その装置が薬事承認されていること
日本においてマウスピース型矯正歯科装置 (インビザライン) は、薬機法未承認の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。 しかし、その材料自体は日本の薬事認証を得ており、アレルギー等に関する安全性は確保されています。
部分的に歯並びが悪いところがあり、特にかみ合わせに大きな問題が無い場合に行う矯正治療で、ブラケットやワイヤーといった装置を全ての歯に付けず、部分的に付けて治療を行います。
治療費を抑えることができ、短期間で矯正治療が終了できるといったメリットがある反面、お口の中の環境によっては治療期間が長引いてしまったり、全体の治療と比べると治療結果が異なる場合がありますので、治療前によくご相談ください。
気になる部分だけ治療を行う矯正治療です。一般的な治療期間は6ヶ月~1年6ヶ月 (通院回数6回~18回) (症例によっては延びる場合がございます)。部分的に歯を動かすので、全体矯正に比べて治療期間を短くしたり、費用を抑えることができます。基本的には前歯に行う治療方法で、奥歯の噛みあわせを治す場合は全体の矯正治療を提案される場合があります。全体矯正に比べると、仕上がりが甘くなる可能性が高いです。歯を並べるのに必要なスペースが足りない場合は、歯を削る可能性があります。通院頻度は3~8週間に一度で、その都度調整料 (装置によって異なります) 3,000~8,000円 (税別) がかかります。
矯正治療は大人になってからでも可能ですが、大人の矯正治療ではアゴの成長発育がコントロールが出来ないので、その条件の中で歯を動かす治療となります。
お子様の矯正治療では、歯の生え変わりの時期から治療を始めることで、歯並びだけでなくアゴの成長発育をコントロールしながら矯正治療を行うことができ、より理想的な治療を行うことができます。
通常は、6~7歳頃 (前歯が上下4本ずつ生え始めた頃) に診察を受けて、矯正治療をする必要があるかどうかをチェックすることをお勧めしています。
ただし、前歯が反対に咬んでいる (反対咬合) 場合は、4歳頃から治療を行います。この時期の反対咬合の原因に、舌が通常より低い位置にあることや、お口の周りの筋肉バランスが悪いことが挙げられます。
これらを改善するため、トレーナーと呼ばれる取り外しが可能な装置を使って治療を行っていきます。取り外しが可能な装置なので、お口のメンテナンスが簡単に行えます。また、お家の中で行う装置になるので、周りに知られずに治療を行うことができるといったメリットがあります。
当医院では、トレーナー治療と同時に筋機能訓練を行います。トレーナーはあくまで筋機能訓練の補助装置であり、正しい訓練を行うことで効果を発揮します。
症例や年齢に合わせて適切な装置を用いて治療を行います。一般的な治療期間は2〜6年 (通院回数24~48回) です (開始年齢によって異なります)。永久歯に交換する12~13歳頃までの治療です。通院頻度は1〜6ヶ月に一度で、その都度調整料 3,000~5,000円 (税別) がかかります。